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スターアライズ感想雑記

先月発売されたSwitch用ゲーム『星のカービィ スターアライズ』。皆様はもうプレイされたでしょうか。

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今日はスターアライズが発売されて1ヶ月ということで、つらつらと感想を語っていきたいと思います。

感想はネタバレなしのものとネタバレありの2つに分けています。ネタバレのない感想を先に書いているので、ネタバレが怖い人は途中で引き返してください。

感想(ネタバレなし)

アクション

やはり今回の目玉は何と言っても「フレンズ」「フレンズ能力」

「フレンズ」はSDXのヘルパーを、「フレンズ能力」は64やドロッチェミックスコピーを彷彿とさせて、ファン心理にはこの時点で既にグッとくるものがあります。

また4人協力プレイはWiiを彷彿とさせつつ、敵キャラを操作できる4人プレイというのは幻のカービィGCもちらつくものがあります。コアなファン的にはさらに胸熱なポイント。

これだけ多くの要素を詰め込んでおきながら、それらが違和感なく組み合わさって共存しているのも高評価。フレンズ能力は単純に見た目がカッコよくなったり火力が上がったりするだけでなく、特定のコピー能力の組み合わせで解く仕掛けがあるのも面白かったです。中には複数の「解」があるような仕掛けもあるのが遊びの幅広さを感じられてよかったです(パラソルで防いでいた導火線の滝が、実はアイスで凍らせてもOKだったなど)

また、ミックスではないフレンズ能力にもユニークで派手な見た目が面白いものがありました。「ブンナゲフレンズ」でフレンズを投げて攻撃するという、まるで友を友と微塵も思っていないかのような破天荒さを見せつけたかと思えば、「ニコーミフレンズ」ではフレンズを調理し始め、挙げ句の果てに「ナベブッパフレンズ」では攻撃に転化させる。もう意味がわからない。なんだよナベブッパって。

 

ステージ

3Dでなくなったこともあり奥行きを使うような仕掛けはなくなりましたが、スペックの向上によりウイスピーの大量りんごや謎のワドルディ団子などダイナミックな演出が増えたように思います。背景もWii3DSと比較してグッと綺麗になりました。特に、個人的に好きな海系や氷系のステージがどれも幻想的で美しかったのが好印象でした。

ステージで流れる曲も、新曲と既存曲アレンジのバランスが良く曲自体のクオリティも非常に高かったです。

また、今回はフレンズのサポートもありステージやボス戦がサクサク進める作りになっていたように思います。そのおかげで周回が苦にならず、色んなコピー能力やフレンズで遊ぶ楽しみがありました。様々なフレンズ能力の組み合わせを試してみたり、あえて4人とも同じコピー能力にしてみたり、そんなことをしている内に面白い挙動を示すフレンズ能力を見つけたり……。

気軽に何度もみんなで遊べるステージ構成は、SDXを彷彿とさせるものがありました。

 

システム・グラフィック

システムというと、一番大きい要素はやはり「フレンズ」。ハートを投げるという今までにない全く新しいアクションでありながら、既存のシステムに自然と溶け込んでいるのが印象的でした。「フレンズ」については冒頭から様々な評価点を挙げていますが、とりわけシステムとして面白いと感じたのは「ドリームフレンズ」。デデデやメタナイトなどWiiでプレイアブルだったキャラはもちろん、過去作から満遍なく色々なキャラを拾ってきてくれているのはファンとしては喜ばしい限り。今まで共演することなかったキャラたちが一堂に会するその様は、まさに夢(ドリーム)の共演。細かい点ながら、デデデやメタナイトをボスとして倒した後にハートを投げるとフレンズにできるのは面白いと思いました。

ドリームフレンズの最も面白い点は、今後のアップデートでどんどんキャラが追加されるということです。記事執筆時点では「2」、「SDX」、「3」とレトロな作品からの出演にとどまっていますが、第2弾、第3弾と回を重ねるごとに近年の作品に近づいていくと思われます。今後の参戦キャラの発表が楽しみです。ドロシア来てくれ頼む

フレンズ以外にもグラフィックや演出面でも評価点は多かったです。中でもボス戦のカットインはキレのある演出でよかったと思います。また、このボス戦のカットインやイラスト、オープニングアニメなど全般に使われている絵のタッチも特徴的でした。水玉模様の影が独特なこの絵のタッチは、現代っぽいフラットデザインを踏襲しながらもその一歩先を行くような先鋭性を感じました。このスタイリッシュなセンスの良さはタッチカービィに通ずるものがあると思います。ロード中に出てくる星やハートのアイコンもオシャレで、インターフェースのデザインは今作でかなりレベルが上がったように思います。地味にSwitchのソフトにしては珍しくタッチ操作に対応しているのも評価点です。

 

【05.05.18追記】

Wiiの頃からそうなのですが、「コントローラーが振動する」というのはゲームへの没入感を高めてくれますね。

Wii同様カービィや敵の動きに連動して普通に振動するほか、スターアライズではSwitchのHD振動が有効活用されていたのが好印象でした(敵を吸い込んだ後の「もごもご」や水に飛び込む時の振動、フレンズつりばしで踏まれてる時など)。

 

 

 

 

感想(ネタバレあり)

ここから先の内容はネタバレを含みます。ご注意ください。

 

 

構成・曲

今作の面やステージの構成は今までの「アタリマエ」を大幅にいじって来たな、と感じました。基本的に今までは一つの舞台の上にレベルが1から6か7くらいまで横に並んでいる感じでしたが、今作では物語の展開に応じて舞台が変わっていくスタイル。レベルの名前もまるで物語の章のようになり、各レベルに対するナンバリングも撤廃されました。メニュー画面の構成もまるでオムニバス形式の作品を選んでいるかのよう。オムニバスといえばSDXですが、「へいわなくにプププランド」は「はるかぜとともに」、「遥か、きらめきの勇者たち」は「銀河にねがいを」を彷彿とさせるような構成になっているのも上手いオマージュです。SDXオマージュを入れながらも、「きせきの星ポップスター」はWiiのようなステージセレクト画面で、韻の踏まれた頭文字を繋げると単語ができるパターンも踏襲しています。こんな風に構成一つ取っても過去作の様々な要素を取り入れながら新たな形式を生み出しているのが、まさに25周年の集大成といった感じで素晴らしいです。形式だけでなく名前も素晴らしく、特に終盤の「遥か、きらめきの勇者たち」はいよいよ宇宙までやって来たんだな……と感慨深くなるネーミングで、最終面では熱いタイトル回収の「星のカービィ スターアライズ」。初見プレイ時は正直ジャマハルダで終わりだろうと予想していたので、その先にさらなる展開が待っていたことにテンションが上がったのを覚えています。

本編以外でも変化は見られます。クリア後に解禁されるお馴染みのモードですが、「GO」系は「星の○○○○」、「格闘王への道/かちぬきボスバトル」系は「The アルティメットチョイス」と名前が一新されました。

名前が変わっただけではありません。「星の○○○○」では伏せ字の部分にフレンズの名前が入ることでそれぞれのフレンズの「主人公感」が増しています。20体以上いるフレンズ全員にサブタイトルとポーズ画面での文章により個性が付与されたのも大きいです。「The アルティメットチョイス」も難易度選択の幅が広がりました。これは初心者への間口が広がるというだけでなく、敵の数を減らすことができることで気軽にサクッと遊べるようになるという利点もあります。これは友達とちょっとした隙間時間に遊ぶ時なんかに便利です。一方で最高難易度は過去作と遜色ないエゲツなさと演出で、お馴染みのソウルも出て来て満足です。そして苦労の果てにクリアした先のリザルト画面で流れる「あの曲」。caminoがめちゃくちゃ大好きな通称「カービィハンターズZフル課金のテーマ」。最初にこれが流れて来たときは嬉しくて仕方なかったです。フル課金の人だけしか聴けないにはあまりにも勿体無い曲だったので、今作で多くの人の耳に触れることになってとても嬉しいです。

演出

Wii以降毎度のことながら、終盤の熱い演出にはさらに磨きがかかっていました。

まずハイネス。ボスとしての登場時は今までのカービィになかったような不気味な雰囲気に圧倒されました。ボソボソ歯切れ悪くつぶやいているかと思えば、いきなり大量の台詞の早回し。この演出は「ディープな設定をテンポを損なわずに披露し、見たい人だけ見る」という理想的なものでした。曲の音色もまた不安を煽る絶妙な旋律でした。

そして第二形態での豹変。なんだかあっけなかった第一形態とは一転、攻撃も曲も激しくなり(ヤバいやつを怒らせちゃったよ……)という恐怖感に煽られながらの激戦。

ラスボスの前座ながら、素晴らしい演出だったと思います。

そしてラスボス、「破神 エンデ・ニル」。あらゆるフィクションでよく見るものの今までカービィ世界にはなかった「神」がついに登場。決戦の舞台を彩る満天の星空とそれを反射する一面の氷。グラフィックの美しさと、史上最強にして初の「神」との戦いに気分が昂ったのを鮮明に記憶しています。

シューティングと通常の2Dアクションを交互に挟みつつ、ラストはいつもの鍔迫り合い演出。最後の最後に全フレンズが集結したのは本当に最高の演出で、グッとハートを掴まれました。

本編以外の演出で最高だったのはやはり「エクストラスターδ」。GB風の緑がかった画面を最新鋭のテクノロジーで再現しつつ、極めつけはHD振動でのグリーングリーンズ&"WE♡KIRBY"。(あぁ、この人たち(HAL研)本当にカービィが好きなんだな……)と胸が熱くなりました。まさに25周年を締めくくるにふさわしい演出でした。

キャラクター

今作はサンマにハイネス、バルフレイナイトにニルと魅力的な新キャラが沢山登場しました。

ルフレイナイトはボツ案のサルベージなのがファン心理にグッとくるのもさることながら、カービィと縁深い「蝶」がモチーフなのも興味深いです。蝶は初代カービィカービィ以外に一番最初に登場する生き物であり、以降の作品でも度々姿を見せています。

そして個人的に最もグッと来たのがニル。第四形態のあのカービィ似の顔が出て来たとき、思わず声が出そうになりました。(カービィの異なる可能性……?)(カービィも一歩道を踏み外していたらあんな風になっていたのでは……?)(もしやこれはティンクル・ポポ……?)など、心を揺さぶられるような疑問符が次々浮かんで来ました。

第四形態は戦い方も独特でした。目と口の3つの穴がグネグネと変形しながら技を繰り出す様はかなり不気味で、個人的にはかなり好みでした。あどけないカービィのような顔になったかと思えば、突然ダークマターのようになったり。豊かな表情が魅力的です。
また、色や形がドロシアソウルを彷彿とさせるデザインだったのも個人的に嬉しかったです。タッチ!カービィ」が過去作の中で一番好きなので。やられるときに表情がいくつか変化するのもドロシアソウルの最期と似ていて嬉しかったです。
 
ひとまず発売1ヶ月経って感じていることを思いのままに書き付けました。
ですが、漠然と思うのは「星のカービィ スターアライズ」はもっともっと「大きい」作品だということです。たった1ヶ月経った程度ではまだまだその魅力を味わいきれていないのではないか、という感じがします。まだアップデートを残しているということもありますが、他にも様々なフレンズ能力の組み合わせや、直接的には語られていない想像を掻き立てる物語の背景など、まだまだ「スターアライズ」には味わい尽くせるところが沢山あると思います。まさに25周年を締めくくるにふさわしい、集大成的な作品ですね。
先述の通り「まだまだ味わいきれていない」という感覚ゆえに乱文になってしまったのを自覚していますが、1ヶ月という一つの区切りを迎えてひとまず「スターアライズへの想い」を形にしてみました。最後に、このような長文乱文でありながらここまでご一読くださった皆様に感謝の言葉を捧げ締めくくろうと思います。
 
【追記】
 カービィ3のダークマター戦のBGMがめちゃくちゃ好きだったのですが、今回アレンジされましたね。すごく嬉しい!!2のマター戦のアレンジもとてもクオリティが高くてよかったです。まさかクラウディパークを入れてくるとは……