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caminote

caminoのnoteでcaminote(カミノート)。日々の思いをつらつらと。

大山なう。

家族旅行で大山(おおやま)という山を訪れた。

大山という身も蓋もないシンプルな名前だが、観光地としての歴史は古い。聞くところによると江戸時代には既に行楽地として親しまれていたのだとか。

今回の旅は休養が主な目的であったため、大山を登ることはせずに麓の温泉旅館で一泊した。

 

昼頃に横浜を出発し、およそ一時間半のドライブを経て宿に到着。都心からのアクセスは良好であった。

夕飯まで時間があったので、宿に着いてからは付近の散策に出かけた。

 

宿を出るとすぐ目の前に流れるのは大山川。せせらぎの音が心地いい。心安らぐ水の音色に誘われるように歩を進めると、目の前に滝が。

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滝など滅多に見る機会のない都心暮らしの身には、その滝はやけに新鮮に映った。しばらく滝の水しぶきを浴びて涼んだら、大山川に沿って歩を進める。

 

しばらく歩くと「大山フィッシングセンター」の案内が。どうやら渓流釣りをするスポットのようだ。山奥の森へと続く道でもあったので、誘われるようにフィッシングセンターへ続く道を歩む。

 

時間の制約もあり結局フィッシングセンターまでは行かず途中で引き返した。しかし、道中の鬱蒼とした森林はどこか神秘的な雰囲気さえ漂っており大変魅力的であった。

中でも目を引いたのが竹林だ。整備は行き届いていないようで、枯れて倒れている竹も多く見られた。だが、枯れた竹の肌色と生きた竹の緑色のコントラストが絶妙で、その荒廃した様がかえって美しく思えた。

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宿に戻るとちょうど食事の時間となった。

食事は王道を行く会席料理で、適度に上品な盛りつけが印象的であった。詳細は割愛するが、湯葉や豆腐など大豆料理が目立った。味付けも同じく大豆製品の味噌をベースとしたものが多かった。これには訳がある。

 

先ほども述べたように大山は行楽地として古来より親しまれている土地だ。しかし江戸時代は幕府により観光旅行は禁止されていた。そのため、大山旅行は「参詣」という名目で行われていたのだそうだ。

そこで庶民が参詣をするにあたって、「先導師」という人々が参詣の案内をしていた。その先導師たちが祈祷などの謝礼として受け取っていたのが、大豆だったそうである。

 

大山と言えば大豆製品の中でも特に豆腐が有名だ。それは、先ほどの大豆に加え大山が良質な水に恵まれた土地であることが関係している。豆腐の製造と保存には清らかな水が欠かせない。

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(パンフレットに真っ先に描かれるほど、大山と言えば豆腐らしい。)

 

名水の恩恵は続いて出された料理にも反映されていた。

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これは、ヤマメの塩焼きである。山女魚と書くこの魚は、川魚らしく淡泊な味わいで塩との相性は抜群であった。

添えられている小さな大根は、宿の敷地で無農薬栽培した採れたてのものだ。虫食いの跡がその事を物語っている。

 

最後に今宵のメインを飾ったのがこの鍋。

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味噌ベースのだし汁の中で豊富な野菜とともに煮つけられていたのが、なんと猪の肉である。

なかなか食べる機会のない猪の肉は、豚と似ていながらも少し歯ごたえのある食感であった。家畜の肉には見られない野生の力強さとでも言うべきか。噛むごとにうまみの染み出す肉質は自分の好みで、大いに満足した。

 

食後は自慢の名水を汲み上げた温泉を堪能した後、部屋でくつろぎながらこの記事を書いていた。

明日は早々に帰路に着くことになるが、一晩宿に泊まっただけでもこれだけ大山を堪能することができた。心が満たされる思いである。