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caminoのnoteでcaminote(カミノート)。日々の思いをつらつらと。

FILM RED感想

ONEPIECE FILM RED、見てきました。

以下、FILM REDや原作のネタバレ注意(caminoは本誌最新話まで読んでます!)。

視聴前の状態

caminoは映画館でONE PIECEを見るのは初めてでした。
それもそのはず、caminoは今年の7月までONE PIECEを一切読んだことがありませんでした
このFILM REDに間に合わせるのを1つのモチベーションにして、なんと1ヶ月でONE PIECEを全部読み切りました。その時の話はまた別の記事にて紹介しようかと思います。

そんな感じでギリギリ間に合わせたので、ONE PIECEについては原作漫画の知識しかなく、アニメ版はほとんど知識がありませんでした。過去の映画はおろか、各キャラがどんな声をしているのかさえほとんど知らないような状態でした。

で、FILM RED本編の知識もほぼなかったです。たまたまYouTubeのオススメに出てきたAdoの「逆光」を聴いて良さげだと思ってたりとか、予告編PVでルフィが「こいつシャンクスの娘なんだぜ」って言ってるのを聞いたりしたとかその程度でした。

一方で入場者特典で40億巻があるということだけは耳ざとく聞きつけており、ネタバレ喰らいたくないということもあり公開初日に見てきました。

まず、その1st impression的な新鮮な感想を以下に。

第1印象

まず真っ先に思ったのは、「映像、音楽、ストーリー全部最高!」ということです。特に音楽はAdoの歌唱力がひたすらに素晴らしかったです。音響に力を入れている映画館で見てきたので、さらにその魅力が引き立っていました。歌に合わせた映像も素晴らしく、ストーリーも2時間の尺の中で綺麗にまとまっており、総合的にクオリティの高い映画だったなという印象でした。

以下、細かいポイントの評価点です。箇条書きでやってきます

麦わらの一味とか
  • 原作の色んな陣営からキャラが出演していて賑やかでよかった。一方で麦わらの一味もしっかり描かれており、一味全員が活躍してる姿が見られてよかった
  • 麦わらの一味の中だと、終盤のウソップとヤソップの見聞色親子通話が熱かった
  • ルフィ、シャンクスとの同時攻撃の際に一瞬ギア5になってなかった??映るのが一瞬だったため知らない人にはネタバレにならず、知ってる人にはグッとくる絶妙な塩梅で良かった

  • サニー号は生き物?クレジットの後に出てきたのも伏線か?

  • コビーがめっちゃ活躍してたのも良かった。原作序盤見返すとマジでエモ過ぎる

ウタまわり
  • ウタの目指してたことが割とエヴァの「人類補完計画」そのものだったので、エヴァオタクとしてはこっそり嬉しかった

  • ウタの設定にadoの歌唱力がこれ以上ないほど説得力を与えてくれている

  • ウタの声の演技も良かった、海賊やめようとかの不穏な声のトーンも良かったし、正体明かしてからの(眠らないキノコのせいでおかしくなってたとは言え)メンヘラヤンデレ感も良かった

  • ブルック加入までルフィが音楽家にやたら拘ってたのはウタの影響……?

  • というかウタが思ったよりダークな感じで意外だった、ウタのライブにくる悪役をウタと共闘して倒す的な感じかと思った

シャンクス
  • 入場者特典の裏設定リスト、読んでるだけで面白い SECRETとは???

 

第一印象としてはこんな感じです。
これは映画を見終わった直後に書き殴ったメモを手直しして書いた感じです。

第二印象

実はcamino、特典目当てに複数回見に行ったのですが、何度も見る中で新たに気づくことや、改めて実感することがいくつかあったので、そちらについても書いていきます。

ウタまわり
  • よく見ると後ろでカールした髪の毛がネコミミのようにピョコピョコ動いていて可愛かったです。
  • ライブ中の演出について。ウタのCGやサイケデリックなMV風の映像が若干浮いてるような気がしましたが、ウタウタの世界に取り込まれる過程を表現していると解釈すればまた違った意味が見えてきて面白いなと思いました。映画を見ている我々もウタウタの世界に取り込まれていたのかもしれない……的な
  • ウタウタの世界がポップでカラフルな色調なのに対し、現実世界が色彩に乏しく薄暗い感じだったのが対比が効いてて良かったと思いました(これは特典とか読むと「狙った」設計のようですが)。同時に、「楽しいことに満ちたバーチャルな夢の世界vs厳しく辛いことに満ちた現実世界」という対比にも見えました。オタク的には響くテーマですね。
  • 後半の方に出てきた、水没したウタウタの世界はウユニ塩湖的な美しさがあってビジュアル的にかなり好みでした。
  • ウタの羽についても、初見では見逃していましたが結構重要な意味を持つシンボルなような気がしています。序盤のウタには羽は生えていないのですが、「逆光」を歌う所でピンクと白の左右で色の違う羽が生え、「Tot Musica」のタイミングで羽が漆黒に染まり、エンドロールの最後でピンクと白の羽が1枚ずつ「散る」という推移を経ています。
  • 海軍や海賊に剣を向けられて、自分の命が狙われている状況でも飄々としていたウタが、他の人(ウタワールドに招き入れた人)が流血しただけで露骨に取り乱していた描写が素晴らしかった。「あともうちょっとで"新時代"なんだよ!!」って台詞がかなりグッとくると同時に、ウタの異常性を際立たせていて良かった。自分の命を何とも思っていない一方で他人の命は大事に思っているアンバランスさとか、他人の命は大事にするもののウタワールドに閉じ込めることについては何も思っていない(むしろ救済と思ってる節さえある)ところとか。
    このようなウタの異常性については作中の描写だけでもある程度推察できる他、40億巻の年表を見るとより理解が深まる設計なのが良かったです。
その他
  • 終盤のウタvsルフィでロジャーの処刑シーンの構図を再現していたのがめちゃくちゃ良かったです。中々良いファンサービスでした。
  • 「ルフィ、海賊やめなよ」「海賊王とか麦わら帽子とかシャンクスとかどうでもいいじゃん」的なセリフは、(いい歳こいて)いつまでもONE PIECEというコンテンツに耽溺しているオタクにある意味刺さっていたような気がします。流石に狙ったわけではないでしょうけど、caminoはこういう演出が好きだったりします(ポケモン映画の「キミにきめた」のあの演出を彷彿とさせて良かった)
  • 蘇った魔王との最終決戦でルフィとシャンクスが「会わない」状態で共闘する演出は、「約束」を守りつつ熱い展開を実現していてかなり良かったです。最後ルフィとシャンクスが最後の一撃を決めるときに、画面がひび割れたような演出になって、それぞれの破片に全員の顔が映し出されていたのは良かったです。(この演出は個人的には鬼滅の刃立志編の「ヒノカミ」の時に用いられていた映像表現を思い出しました。あの演出すごい好きなんです)
  • そしてやっぱり気になるのは、エンドロールが終わった後にちょこっとだけ挟まれた映像。航海するサニー号が映し出され、ルフィがサニー号に話しかける→ウタに「いつかこの麦わら帽子が似合う男になれ」というセリフを思い出す→「海賊王に俺はなる」といういつもの台詞で締め、という流れになっています。
    「海賊王に〜」で締めるのは如何にもワンピ映画って感じですが、ウタの台詞の後にこの台詞が来ることで、何度も聞いたはずの口上に少し違った意味が与えられているような、そんな味わい深い演出になっているのが良かったです。劇中で「海賊王になってどうするの?」とウタに聞かれた際に「"新時代"を作る」と答えていたこともポイントだと思います。
    また、サニー号に話しかけた意味については考えても分かりませんでした。作中でサニー号がマスコットキャラみたいになっていたことから、サニー号には魂?のようなものが宿っているのかもしれませんし、この事がいずれ重要な意味を持つ……のかもしれません。

感想としてはこんな所でしょうか。

こうやって「ONEPIECE FILM RED」を振り返ってみると、原作でほとんど見せ場のなかったシャンクスおよび赤髪海賊団の貴重な活躍シーン、ウタという強くも脆い少女の重層的な描写、圧倒的な映像表現にAdoのずば抜けて優れた歌唱力などなど、作品を構成する要素の一つ一つがクオリティが高く、全体として見てワンピース映画としても単体の作品としてもものすごく高い完成度を誇る作品なのではないかと改めて思うなどしました。
品質の高さを裏付けるかのように、興行収入もめちゃくちゃ奮っているらしいですね。入場者特典もバンバン展開していくみたいですし、今後もFILM REDが盛り上がって人々の記憶に刻みつけられると良いなと思います。

では今回の記事はこんな所で。読んでくださってありがとうございました〜